コラム
You Are Special
『わたしの目には、あなたは高価で尊い 私はあなたを愛している。』
 
少し前のことになるが、「世界に一つだけの花」という歌が流行した。

♪花屋の店先に並んだ、いろんな花を見ていた。
 人それぞれ好みはあるけれど、どれもみんなきれいだね。
 この中で誰が一番だなんて、争うこともしないで、
 バケツの中誇らしげに、シャンと胸を張っている。

 それなのに僕ら人間は、どうしてこうも比べたがる
 一人一人違うのに、その中で一番になりたがる

 そうさ僕らは 世界に一つだけの花
 一人一人違う種を持つ
 その花を咲かせることに一生懸命なれば良い

 小さな花、大きな花。一つとして同じものはないから
 No.1にならばくてもいい もっともっと特別な Only One♪

私たちは自分を測る基準として、よく人と自分を比較する。人より秀でていれば喜び、劣っていると思えば
落ち込んだり、悩んだりする。また、他の人を評価する際にも同じことをしやすいのではないか。

世の中には一人として同じ人物はいない。一人一人外見から個性まですべて違う。優劣をつけるためではなく、
一人一人が特別で、唯一の存在としてデザインされているからだ。
もし、世界中の人たちが同じであればどうなるだろう。誰もが同じ顔、同じ背丈、同じ声、同じ性格、同じ学力、
同じ運動能力、同じ思考回路・・・。確かにみんな平等になるかも知れない。
その代わり、誰一人として個性をもつ者はなく、まるで工場で量産されたロボットのようになるだろう。

You Are Special 「たいせつなきみ」  マックス・ルケード Max Lucado

ウイミックスという ちっちゃな 木のこびとたちがいた。みんな エリという ちょうこくかが ほったんだ。
エリのしごとばは こびとの村を見おろす おかのてっぺんにあった。

ウイミックスたちウイミックスはみんな いろんな かっこうをしていた。おっきな 
はなをしたのに おっきな 目をしたの。のっぽくんに  おちびさん。ぼうしをかぶったのに うわぎを  きたの。でも  みんな ひとりの
ちょうこくかに つくられて 同じ村にすんでいた。

そして毎日 朝から ばんまで 同じことをしていた。シールを 
くっつけあうんだ。ウイミックスは みんな 
きんぴかのお星さまシールとみにくい はいいろの だめじるし
シールをべつべつの はこにいれて もっていた。こびとたちは 
町じゅうどこででも とおりのあちこちでお星さまとだめじるしを 
くっつけあって くらしていたんだ。

つるりと なめらかな木でできて えのぐもきれいにぬられた
かわいいこびとたちは いつもお星さまを 
もらっていた。でも 木がでこぼこだったり えのぐがはがれて
いたらだめじるしをくっつけられるんだ。

さいのうのある こびとたちも お星さまがもらえた。頭の上まで おっきなぼうを ひょいっと もちあげたり高く
つんだ はこを とびこえたりできる こびとがいたんだ。むずかしいことばを 知ってるのや すてきな歌を 
歌えるのもいた。そんなこびとには みんな お星さまをくっつけていった。

お星さまだらけの ウイミックスとうじょう!お星さま もらうと 気分はさいこう!また すごいことして お星さまがほしくなってくるんだ。だけど なんにもできない ぶきっちょな こびともいた。そんな こびとたちは みにくい 
だめじるしを くっつけられたんだ。

パンチネロは そんなこびとの ひとりだった。みんなと同じように 高くつんだはこを 思いきって とんでみた。
でも いつもしっぱいばかり。みんな よってきて だめじるしを くっつけていった。ある時は しっぱいした
ばかりか木にかすりきず。また だめじるしを くっつけられた。いっしょうけんめい いいわけしようと したけれど
つまらないこと 言ってしまって また だめじるしを くっつけられた。

しばらくすると 体じゅう みにくい だめじるしだらけ。おうちから出るのが いやになった。
「ぼうしを わすれやしないかな」
「みずたまりに おちたら たいへんだ」
「へまをしたら また だめじるしだ」
そんなことが しんぱいでたまらなくなった。だってパンチネロは もうすでに たくさんのはいいろの だめじるしを
つけていたからみんな めずらしそうに よってきて また おまけを つけていったりするんだ。

「やつは だめじるしだらけが おにあいだな」
木のこびとたちは みんな そう言ってからかった。
「あいつは だめなこびとだからな」

パンチネロは みんなからそう言われてもしかたがないと思うように なっていった。
「どうせぼくは だめなウイミックスだから」そう つぶやいた。

外へ出ると 同じようにだめじるしを いっぱいつけたウイミックスたちと いっしょにいたんだ。そのほうがずっと
気がらくだったからね。

ルシアある日 パンチネロは ウイミックスらしくない
ウイミックスに出会った。
お星さまも だめじるしも つけてないんだ。
木のまんまだった。名前を ルシアといった。

みんな ルシアにもシールをくっつけようとした
けど つかなかったんだ。あるウイミックスは
「だめじるしが  ひとつもないなんて すごい
ねえ」とかけよって ルシアをほめた。
そして お星さまを くっつけようとしたけど 
おちてしまった。こんどは べつのこびとが 
やってきて「お星さまを ひとつも もらって
ないなんて」と  ばかにしてだめじるしを くっつけようとした。でも それもやっぱり くっつかない。

「ぼくも あんなふうになりたいなあ」と パンチネロは思った。
「もう だれからも いいとか わるいとか 言われたくないよ」
それで シールのつかないあの子に どうすればいいか聞いてみた。
「それなら かんたん」とルシアが答えた。
「毎日 エリに会いにいくのよ」
「エリ?」
「そう エリよ。ちょうこくかのね。しごとばへ行って いっしょにお話するのよ」
「どうして?」
「自分でたしかめてくれば? おかのてっぺんへ 行くのよ。すぐにわかるから。」

そう言ってシールのついていない ウイミックスはスキップしながら 行ってしまった。

「でも ぼくなんかに 会ってくれるかなあ?」パンチネロはさけんだ。
ルシアにはもう 聞こえなかった。
それでパンチネロは おうちへ帰ったんだ。まどのそばにすわって木のこびとたちが ちょこちょこ いそぎ足で
お星さまや だめじるしをくっつけあっているのを じっと見ていた。
「あんなの へんだよ」
そう ひとりごとを つぶやいた。そして エリに会いにいこうと きめたんだ。

パンチネロは 細い道をてくてくのぼっておかのてっぺんの おっきな しごとばの中へ 入っていった。
なにもかも おおきくて そりゃあ 木でできた目は まんまるになった。せの高さほどもある こしかけがあった。しごとだいの上を見るのに せのびをした。うでくらい長い かなづちが おいてあった。パンチネロはいっしょう
けんめい おどろきをこらえた。
「やっぱり よそうっと!」くるっと むきをかえて帰ろうとした その時。
名前をよぶ声がした。

「パンチネロ?」

それはひくい おっきな声だった。パンチネロは立ち止まった。
「パンチネロじゃないか! 会いにきてくれたんだね。
こっちへ来て わたしに顔を見せておくれ」
パンチネロは おそるおそる ふりかっておっきな おひげのしょくにんを 見上げた。
「ぼくの名前を 知ってるの?」
ちっちゃなウイミックスは そう聞いた。
「もちろん 知ってるさ。わたしがおまえを つくったんだからね」

エリとパンチネロエリは かがみこんでパンチネロをひろいあげ しごとだいの
上においた。
「ふーむ」
つくりぬしは みにくい はいいろのだめじるしを見て 
思いやりぶかげに言った。
「ずいぶん たくさん つけられたね」
「そんなつもりじゃ なかったんだよ エリ。ぼく いっしょう
けんめい やったんだ」
「ああ なにもかも わかっているよ。 いとしい子。ほかの
ウイミックスが おまえのことを なんと思おうと  かまいは
しないさ」
「ほんと?」
「ほんとだとも。おまえだって気にすることなんか ありゃ
しない。お星さまやだめじるしを つけていったのは 
いったい だれだい?みんな おまえと同じような 
ウイミックスじゃないか。みんなが どう思うかなんて  たいしたことじゃないんだ パンチネロ。もんだいはね 
このわたしが どう思っているかということだよ。そして わたしは おまえのことを とてもたいせつだと 
思っている」

パンチネロは わらってしまった。
「ぼくが たいせつ? どうして?だって ぼく 歩くのおそいし とびはねたり できないよ。えのぐだって 
はげちゃってる。こんなぼくのことが どうして たいせつなの?」

エリはパンチネロを あたたかく 見つめた。そして かれの ちっちゃな木でできたかたにそっと手をおいて 
ゆっくりと こう 言ったんだ。
「それはね おまえが わたしのものだからさ。だから たいせつなんだよ」
パンチネロを抱き上げるエリ
パンチネロは今まで だれからもこんなふうに見られたことは なかった。まして つくりぬしからこんなふうに 
言われるなんてね。うれしくて ことばも出なかった。

「毎日おまえが ここへ来てくれることをねがって まっていたんだよ」とエリが言った。
「シールをひとつも つけていないこびとに会ってね。それで 来たの」パンチネロは言った。
「ああ 知っているとも。おまえのことを 話してくれたよ」
「どうして あの子には シールがくっつかないんだろう?」つくりぬしはやさしく こう話した。
「それはね わたしの思うことのほうが もっとだいじだとあの子がきめたからなんだよ。
みんなが どう思うかなんてことよりもね。シールがくっつくように していたのは おまえじしんなんだよ」
「どういうこと?」
「どんなシールがもらえるかってことを 気にしているとシールのほうもおまえに くっついてくるんだ。おまえが
わたしの あいをしんじたなら シールなんて どうでもよくなるんだよ」
「よく わかんないな」エリを見るパンチネロ

エリは にっこり ほほえんだ。
「今にわかるよ。時間はかかるがね。こんなにたくさん だめじるし
をつけられてきたんだからね。ともかく  これからは毎日 わたしの
ところへおいで。わたしが おまえのことを どれくらい だいすき
だか  わすれないようにね」

エリはパンチネロを しごとだいの上からおろしてゆかの上にそっと
おいてやった。
「わすれちゃ いけないよ」
外へ出ようとするウイミックスに エリはこう言った。
「この手でつくったから おまえは たいせつなんだってことを。
それから わたしは しっぱいしないってこともね」

パンチネロは立ちどまらずに 心の中でこう思った。ありゃ ほんとだぞ。

そして その時 ひとつの だめじるしが じめんにおちた。

マックス・ルケード Max Lucado
マックス・ルケード Max Lucado

米国テキサス州サン・アントニオにあるオークヒルズ・キリスト教会の牧師で物語作家。妻デナリンとの間に3人の娘がいる。
今までに、100冊以上の著作があり、2800万部以上の書籍が
印刷されている。
クリスチャン・ブック・オブ・ザ・イヤー金賞を3度受賞している。
特に、ストーリーを用いて深い真理を語ることにおいて群を抜く巧みさを持っている。
ここで紹介した『たいせつなきみ』の英語版は100万部を超える
ベストセラーになっている。

『わたしの目には、あなたは高価で尊い 私はあなたを愛している。』
これは、神様が私たちをどう思っておられるかを表している。
あなたをユニークにデザインし、愛しておられる方がおられる。
そして、あなただけための特別な計画も一緒に用意しておられるのだ。

 
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